「いつ・何が来たか」が分かれば、手が打てる。畑の防犯カメラ——農作物・農機具の盗難対策と獣害の記録

畑や田んぼなどの農地の防犯で困るのは、何かが起きても「いつ・何が来たのか」が分からないことです。収穫前の作物がなくなっていた、小屋の農機具が消えていた、作物が荒らされていた——原因が人なのか動物なのか、いつ起きたのかが分からないと、対策の打ちようがありません。この記事では、電源や固定インターネットのない農地を前提に、盗難対策と獣害の記録それぞれに合ったカメラの選び方と設置方法を整理します。

高所に設置したソーラー監視カメラで農地を見守るイメージ
農地の多くは、電源も固定インターネットもない場所にあります。

畑・農地で起きる被害——盗難と獣害

農地で起きる被害は1種類ではありません。人によるものと動物によるものが混ざるのが、住宅や店舗との違いです。

農作物の盗難

収穫できる状態になった作物は、なくなって初めて気づくことがほとんどです。次に見回るまで、被害に気づけない時間が続きます。

農機具・資材の盗難

小屋や倉庫に置いた農機具・資材・保管している燃料など。人が離れる夜間や、通いの間隔が空く時期に持ち出されると発見が遅れます。

獣害・その他

イノシシやシカなどによる食害・掘り返し。ほかに、農道に面した土地では不法投棄や無断駐車も起こります。

農作物の盗難対策は、組み合わせで考える

カメラを検討する前に、対策の全体像を役割で整理しておきましょう。どれか1つですべてを防げるわけではなく、組み合わせて初めて機能します。

  • 柵・施錠は、侵入や持ち出しに手間をかけさせる——小屋や倉庫は施錠を徹底し、畑や田んぼの敷地は柵やロープで立ち入りにくくします
  • 看板や照明は、管理されている場所だと知らせる——「無人で放置されている」と見えないようにします
  • カメラは、起きたことを映像で残す——被害に気づいたとき、いつ・何が来たのかをさかのぼるための記録係です

もうひとつ大事なのは、異変がありそうだからといって、夜の農地へ自分で見に行かないことです。暗い農道や畑には転倒の危険があり、野生動物や侵入者と出くわすおそれもあります。カメラがあれば、まずスマホで状況を確認してから、行くかどうかを判断できます。

盗難対策と獣害対策では、カメラに求めるものが違う

同じ「農地のカメラ」でも、目的によって合う録画方式が変わります。ここを分けずに選ぶと、あとで「撮りたいものが撮れていない」ことになりがちです。

獣害——実態を知るのが目的

  • 知りたいのは「撮影地点に、何が・いつ・どの方向から現れたか」
  • 動きを検知したときだけ撮る方式(トレイルカメラ)が向きます
  • 種類と時間帯が分かれば、柵の補強や作付けの工夫など次の対策につながります

盗難——あとからさかのぼるのが目的

  • 知りたいのは「いつ・誰が・どうやって」。検知の合間も途切れず残っていることが大事
  • 常時録画が向きます。撮影範囲内なら、出来事の前後の流れをさかのぼりやすくなります
  • 常時録画の機種なら、人も動物も同じ映像に残ります

トレイルカメラの仕組みと選び方は「トレイルカメラとは?」、常時録画と検知時録画の違いは「屋外防犯カメラの常時録画とは?」で詳しく解説しています。

畑のどこを撮るか——守る対象と通り道から決める

広い農地の全部を1台で映すことはできません。守りたい対象と、人や動物の通り道から撮影地点を絞るのが実務です。

出入口・農道との接点

人も車も、入ってくる場所は限られます。農道から敷地に入る地点は1台目の候補です。

収穫が近い区画

持ち出されると影響が大きい区画に絞って映します。作付けに合わせて移設できると無駄がありません。

小屋・倉庫の出入口

小屋の中はソーラー式カメラでは撮れません。出入口を外から狙う配置にします。

電源や固定インターネットがない畑に、どう置くか

農地にカメラを置くときの関門は、電源・通信・固定先の3つです。ソーラーパネルとバッテリーが一体で、携帯回線(4G)で通信する方式なら、この3つを工事なしで解決できます。設置前に確認するのは次の点です。

  • 日当たり——年間を通じて、ソーラーパネルに影がかからない場所を選びます(作物の生長や季節で変わります)
  • 携帯電話の電波——QiKCAMの標準SIMはドコモ回線です。設置場所で電波が入るかを確認してください。他キャリアをご希望の場合は事前相談です
  • 固定先——標準クランプは外径48.6mmの単管パイプ用です。挟んで締めるだけで穴あけは不要。単管の立て方は設置場所の地盤に合わせて、強風で倒れないようしっかり打ち込み・補強してください。フェンス支柱など形状が違うものへの取り付けは事前にご相談ください
  • 高さと画角——カメラ自体が持ち去られないよう手の届きにくい高さに付けつつ、対象が小さくなりすぎない画角との兼ね合いで決めます

通信のしくみは「SIM防犯カメラとは?」、日照とソーラーの関係は「ソーラー防犯カメラの選び方」で解説しています。

QiKCAMの場合——目的で機種を分ける

QiKCAMはソーラー充電式・4G通信の監視カメラのレンタルです。農地では、目的に合わせて次のように使い分けます。

獣害の実態把握なら——QiKCAM 4G BIGTRAIL

  • 動きを検知したときだけ撮るトレイルカメラ型
  • 夜間は940nmのIR LEDで撮影。ライトが光らないため、動物に気づかれにくい撮り方ができます(映像は白黒)
  • 4G通信つきなので、一般的なトレイルカメラと違い現地へカードを回収しに行かなくても、スマホで映像を確認できます

盗難対策・両方見たいなら——QiKCAM 4G 24

  • 24時間の常時録画。人も動物も同じ映像に残ります
  • 夜間は赤外線の白黒撮影。白色光LEDを標準で備え、ライトが当たっている範囲はカラーで撮影できます

QiKCAM 4G 24は、日照が不足してバッテリー残量が少なくなる前に、常時録画から動きを検知したときだけ録画するモードへ自動で切り替わり、日照が回復すると元に戻ります。曇天が続いても、人や動物の動きがあれば録画は残ります(その間は常時録画ではなくなります)。

動きを検知したときに、カメラ本体から警告音(電子ブザー音)を鳴らす設定にもできます(機種・設定によります)。アプリから現地へ声をかけることもできます(双方向オーディオ・音声の遅れは1秒ほど)。

レンタルの月額には、カメラ本体・ソーラーパネル・バッテリー・SIM通信費・高耐久SDカード(64GB)・アプリ利用と故障時の交換対応が含まれます。最低利用期間は1ヶ月です(料金はお問い合わせください)。

見に行く間隔と、さかのぼれる日数を照らし合わせる

QiKCAMの録画は本体のSDカードに保存されます。フルHDの常時録画で1日あたり約6.9GB、付属の64GBのカードで約9日分が目安です(撮影する内容や設定で変わります)。容量がいっぱいになると、古い映像から順に上書きされます。

収穫期は毎日通う畑でも、農閑期や離れた圃場では通う間隔が空きます。見に行く間隔が9日を超えるなら、手は2つあります。

  • 容量を増やす——最大128GBまで対応しているので、容量を上げたぶん長くさかのぼれます
  • カードを差し替えて運用する——見回りのたびに新しいカードへ入れ替え、外したカードを手元で確認する方法です

映像の残し方は2通りです。ふだんは、気になる日時の映像をアプリからピンポイントでダウンロードするのが手軽です。長い期間の映像をまとめて残したい場合は、SDカードを取り出してパソコンなどへコピーします(SDカードはレンタル品のため、返却前に行ってください)。

映像は本体のSDカードに残る方式のため、まだ保存していない映像は、本体ごと持ち去られると確認できなくなる可能性があります。設置の高さで持ち去られにくくすることと、必要な映像を早めに保存しておくことをセットで考えてください。映像を必ず現場の外に残したい場合は、クラウド保存型のほうが向きます。

被害に気づいたときにすること

  • まず映像を確保する——上書きされる前に、該当しそうな時間帯の映像をアプリからダウンロードします
  • 警察へ届け出る——被害の届出とあわせて、保存した映像を提出できるようにしておきます
  • 自治体やJAにも報告する——農林水産省は、警察への届出とあわせて自治体・JAへの報告を案内しています。地域で被害情報が共有されると、周辺の農地の警戒にもつながります

よくある質問

常時録画の機種(QiKCAM 4G 24)なら、人も動物も同じ映像に残るため1台で両方に使えます。獣害の実態把握だけが目的なら、動きを検知したときだけ撮るトレイルカメラ型(QiKCAM 4G BIGTRAIL)のほうが手軽です。
QiKCAMの標準SIMはドコモ回線で、設置場所が圏内であることが利用の条件です。電波が入るかは現地でしか分からないため、1週間の無料お試しレンタルで実際に設置場所に置いて確認することをおすすめします。他キャリアの回線をご希望の場合は事前にご相談ください。
最低利用期間は1ヶ月です。収穫期の2〜3ヶ月だけ使うなど、必要な月数に合わせた契約ができます。日程はお問い合わせください。
標準クランプは外径48.6mmの単管パイプ用です。単管を立てる場合は、地盤に合わせて倒れないようしっかり打ち込み・補強してください。フェンスの支柱など形状が違うものへの取り付けをご希望の場合は、固定方法を事前にご相談ください。
併用できます。柵は侵入を防ぐためのもの、カメラは起きたことを記録するためのものと役割が違うため、カメラが柵の代わりになるわけではありません。柵を突破された場所や時間帯の特定にカメラの映像が役立ちます。

いつ・何が来たかを、記録に残す。

日当たり・電波・画角は、畑ごとに違います。1週間の無料お試しレンタルをご用意しています。